料理でふと思い出した。
確か恩田陸の『木曜組曲』だったと思うが、料理について語っている箇所があって、料理が得意だという男が得意料理としてあげるものが”ナスとトマトのパスタ”という場合は信用できない、といった内容だったと思う。わりと昔に読んでいるので記憶違いはあるかもしれない。そして、図書館で借りて読んだので、手元に本が無く確認できないのだけど、そうあったと思う。で、なぜ信用できないかと言えば、簡単だからと。
でもね、手間はかかるよね。パスタ料理が好きで、いろいろなものを作ってきたが、ナスとトマトのパスタは、料理自体は簡単かもしれないが手間はかかるはず。トマトは湯むきして、ナスは灰汁抜きにと塩をまぶしてしばらく置いて、と、こんな風にしてたらやっぱりお手軽とは言えない。
パスタ料理で簡単と言えば、ペペロンチーノじゃないかな。ニンニクと鷹の爪とベーコンでいいもんね。ベーコンがなけりゃ抜いてもかまわない。それらをオリーブオイルでかるく炒めて塩・コショウをしてパスタと混ぜるだけじゃん。
なぜ作中では”ペペロンチーノ”ではなくて”ナスとトマトのパスタ”だったのか。”ペペロンチーノ”としてはちょっと味気なく感じたのかな。