大河ドラマ新選組!」に関する話題を追っていると、新選組の漫画を書いている女性漫画家が三谷幸喜をかなり非難しているという話題に出くわす。三谷幸喜朝日新聞の連載において、それに応対しているという。知らなかった。
三谷幸喜のコメントはこうある。

新選組を扱った作品を連載している著名な漫画家が、ホームページで僕のことを辛辣に批判している、とファンの方が手紙で教えてくれた。別に教えてくれなくてもいいのだが、知ったからには見ないわけにはいかない。早速インターネットで検索してみた。それは僕が今まで読んだ、僕の作品に対するあらゆる批評の中で、もっとも厳しかった。自分の作品と比べると「新選組!」は同人誌レベルだとバッサリ。めまいがした。お前は素人だと言われたようなものである。僕も脚本家としては中堅、この歳で素人扱いされることもあまりないので、ここは先輩のエールとしてありがたく受け取っておこうと、大人の判断が出来るまでに二時間掛かった。

そして、その漫画家の批判文を見てみたんだけど、内容が幼稚だからなのか、なんだかよくわからない。要旨をくみ取れば、「新選組!」は面白くない、エンターテイメントじゃないと言っておき、自分は”エンターティナー作家”であり、自分の描く新選組が正しいのよ、と言っているような気がする。
しかしね、「新選組!」は見事なエンターテイメントだと思いますよ。新選組を新しいかたちで描いているし、人物像も今までとひと味違った感じになっている。従来のあり方を踏襲せず、新しい解釈でドラマを作る。この姿勢による創造がもうエンターテイメントでしょう。
そして同時に、一つの解釈に固執する方がすでに”エンターティナー作家”としてのあり方としておかしいような気もする。
創作人としての格は、三谷幸喜の方が上かな。すごく魅力的なことをやっているので、批判に取り合わず、邁進して欲しいと思う。