今日は2つの図書館に行ったのだけど、日頃利用している図書館は3つある。
そのうち2つは利用客の多い図書館で、もう1つは、そんなに利用客はいない図書館。
この利用客が少ない図書館の司書っていいなって思う。特に忙しい風でもない。受付カウンターに座って本を読んでるんだもの。本を読んだりして、なにもしてなくても、公務員としての給料を貰えるんだ(そこは市立図書館なので)。いい仕事。
それを見ていて、片田舎の図書館で働きたいなと思ったりする。利用客のほとんど居ないような図書館で、ぼんやり本にかこまれて過ごす。定時になれば、移動図書館として車を運転して町中をぐるぐる走り回る。いいな。いいな。と、図書館に行くとそんな夢想が始まる。
ただ司書になるのが難しい。司書資格ならあちこちの大学が設けている夏期講習なんかに出れば取得できるのだけど、司書の職自体に空きがないとくる。
昔、阿部和重のデビュー作『アメリカの夜』(彼の作品では一番好き。少々読みにくいけど)を読んだとき、仕事中に本が読める仕事っていいなと思ったことがある。この作品では登場人物がバイトの時間に読書をしている。多目的ホールでのバイトなのだが、美術の催しがあるときは客の入りが悪く、場内警備をするにしても暇で仕方ないと言うことで、本を読み始める。
そんな仕事、どこかにないかねぇ、と思い続けているものの、自分の好きな本を読んでいて仕事になるなんて、バイトでさえ出会ったことがない。案外多く存在しているとは思うのだけど。
例えば、宝くじ売場の人とか、ド田舎のさびれた映画館のチケット売場の人とか、なんらかの施設の受付とか管理人とか。ね。
でもやっぱり図書館の職員がベスト。