今日、一緒に御飯を食べたのは、男3に女1という構成だったのだけど、この女性のAさん、昨日が誕生日だった。訊いて知ったのではなくて、メールアドレスにそれらしい並びの数字があったので気づいていた。
御飯を食べたあと、他の男2人にAさんの誕生日のことを告げて、Aさんに御馳走しましょうということで、ささやかな1日遅れの誕生日祝いにした。
ドライブしたあとAさんは用事があるというのでわかれた。その後男3人でちょっとした買い物用事を果たしながら、家に落ち着き、そこで僕はパソコンの頼まれ作業をしたり雑談したり。
日が暮れた頃。
友人の1人が、「あのー、これから出かけませんか?」と言い出す。
なぜかと問えば、「ケーキを注文しました」と言う。
注文しました?
過去形ですか?
しばらく部屋から姿を消していたと思っていたら、ケーキ屋に注文をしていたのだ。
僕が、クリスマスのケーキ? と問えば。
「いや違う。Aちゃんへの誕生日プレゼント」と答えた。
そしてAさんへの想いを口にし始める。黙々と聞く僕ともう1人の友人。
まあ、注文したものは仕方ない。ということで3人で出かけ、ケーキを受け取る。
Aさんには時間と場所を指定して出てきてもらうことにした。
場所はコンビニエンスストアだった。こちらが先に着いた。
友人の1人は早々に雑誌のコーナーに行き、我関せずと立ち読みを始める。Aさんに想いを寄せる友人は、そわそわしてお着きがない。僕は、さてどうしたものかと考えながら、ふらふらさまよっていた。
でも、当然のことのようにケーキの渡し役に指名してある友人から、一緒にいてください、と言われ、ああ、そう? って特に関心のなさそうな感じで僕は答えて、彼のそばで待っていた。
ただケーキを渡すだけでしょ、と言葉をかけてみるが、彼のそわそわ感は最後まで消えなかった。
そうこうしているうちに、Aさんが姿を現した。
ごく普通に、Happy birthday! ということでケーキを渡した。
3人からということになっていたので、僕にもかなり感謝の言葉を言ってくれて、いい気持ちになる。ケーキを渡した友人の満足感、達成感に満ちた表情があったことは言うまでもない。立ち読みをしていた友人は、結局店から出てこなかった。
さて帰るかと言うことで、帰路についたのだが、ケーキを渡した友人は「喜んでもらえて良かった」となおも感慨にふけっている。その彼に向かって、終始立ち読みをしていた友人が「俺、エロ漫画読んでて、ちんちん立ってた」と発言したり。
「でも……」とケーキを渡した友人が言う。
「あのAちゃんて、夏川に気があるような気がする」。
なんかこの前も、人は違うけどこのようなことを聞いたような気がする。
するともう1人の友人が「ああ、俺も思った。俺らと話す感じとちょっと違うもん」。
なにかの罠かな。偶然かな。人が違うだけで、この前と同じ展開になってる。
でも、1つ言いたいのだけど。
男同士の推測なんていりませんからっ。残念!