病院へ腰のリハビリ治療に行った。今日は、結果的に運が悪くと言った方がよいのか、実習生が居て、その人が世話をしてくれた。世話と言っても、する事は簡単で、いつもしている治療自体が単なる牽引なので、療法士の人はそのセッティングをするだけなのだ。だけど、実習生となると、どうもおぼつかない。
牽引とは、まあ、簡単に言うと、腰にベルトをまいて、仰向けに横になり、ベルトから伸びている紐を負荷のかかる機械につないで、自動にぐぐぐっと引っ張ったりゆるめたりする、というようなもの。腰の下には温かい何かを敷いている。タオルでまかれているそれの中身は何かわからないのだけど、とにかく温かいもの。まず、それを実習生は敷き忘れる。指摘して、問題解消。で、台に横になり、上半身を、脇の下に太い紐と言って良いか、ベルトと言うべきかそのようなもので固定するのだけど、うまく調整してもらえずちょっと窮屈。まあ、別にいいやと思い、とりあえず問題解消。で、牽引が始まる。すぐにいつもと違うと気づく。ところで、いつも行く17時あたりのこの時間帯は、何故か他に患者が居なくて、誰もいない部屋で、僕は独りぎぃぎぃ腰を引っ張られている。実習生は牽引が始まると、とりあえずする事が無くなるので、部屋から出ていった。でも僕は違和感を感じている。それは、横になっている台がスライドされないのだった。横になる台は引っ張られやすいようにスライドするようになっている。ロック式で固定したり動いたりする。そのロックを外してくれてないのだった。結果、どんなことが起こるかというと、ずずずと台の上をひこづられ、不器用に引っ張られ、なんだか腰が痛いような事態。まあ、大したことではないのだが、腰の治療に来ているのに、腰が悪くなっては仕方ないと思い、「ちょいとちょいと」なんて声を出して呼ぼうかしらと思っていたところに、たまたまひょこりと実習生が部屋に顔を出したので、「これこれ」なんて指さしながら指摘すると、「ああ、すみません」なんていいながら、すぐにロックを外してくれた。ひどく恐縮して「大丈夫ですか?」って言うものだから、「大丈夫よ」って答える。口に出したあとで、「大丈夫よ」ってなんだよ、「……よ」ってなんだよ、おかまみたいじゃねぇか、って自分にツッコミ入れながら苦笑していた。15分の牽引が終わったあと、セッティングを解いてくれるのだけど、このときもまず台を固定しなきゃいけないのだけど、それをしないでベルト等を外すものだから、ぐらぐら動いてなんとも不器用。「まあまあ落ち着けよ」って言おうかとも思ったが、やっぱりやめて苦笑したまま立ち去る。終始恐縮し狼狽していたような実習生。おそらく初日だったのだろう。