読了

「書斎の競馬」という競馬雑誌に連載されていた作品で、そのためか競走馬の話がちらちら出てくる。
良い作品だ、と僕は言います。ただこれは好みが別れるんじゃないかなとも思う。特に起伏のあるストーリーじゃない。さらりと進む”私”の身辺雑記のような小説。ともすれば散文のようにも思える小説。章がかわるたびに場面ががらりとかわるので、通してみると、どうにもつかみどころがない。そして物語を収拾させない突き放したような終わり方をしている。
それにしてもこの著者の描写力には圧倒される。ディテールへこだわったような描写。