なぜかモンちゃんの顔を思い出した。
40歳が近くなり、そうでなくともふけ顔であった僕にコンビニの派手な制服は似合うはずもなく、ようやく仕事に離れ始めたがその制服のせいで職場にはまだ馴染めなかった。
レジに立ち接客しているなかで、不意に幼なじみであるモンちゃんの顔を思い出した。顔が似ている客がいたわけではない。僕の意識が昔に飛んだのだ。
自分は特別だと思っていたあの頃。宝くじを買えば1等が当たるんじゃないかと根拠のない自信にあふれ買ってみるのだが、全然かすりもしない結果に自分は特別じゃ無いという現実を感じていた。
モンちゃんと別れてどのくらいの月日が過ぎたのだろう。
あの日から僕は立ち止まっている。