夏川堂の座敷にて

昨日は、やや遅めに起床し日曜日の定例行事としてNHKの将棋トーナメントを見ながらぼんやりしていると、小説家志望の友人から連絡があり、午後から遊びに行っても良いか、と言う。何も予定がなかったので良いよって答えておいた。
だから午後すぐから小説家志望の友人が遊びに来た。
それから日付が変わる午前0時前までその友人は居座った。
以前に12時間居座るという前科があるので、まさかとは思っていたけれど、やはり10時間をこえる滞在時間だった。
たまには良いけどね。


そんな長い時間何をしていたかというと、雑談しかしていない。
まだ昼頃には、探し物の本があるので本屋にでも出かけようか、という話をしていたのだけど、結局どこにも出かけなかった。
数日前にこの友人は2作の小説を書き上げていた。100枚足らずのものと100枚を少々こえるもの。その作品はメールで受け取ってちまちま読んでいる。
前まで書いていた作品は、富士見系ファンタジーをど真ん中でいくような作品だったけど、今回はやや感じが違う。純文学的な作品に寄ってきているような気がした。
それは本人も認めているところだった。そして、次に書こうと思っている作品の内容を聞いたのだけど、それはもう幻想文学の様相を持っているような気がした。19世紀にヨーロッパでおこった幻想文学の作品のようだった。
ちょっと楽しみになってきたかも。


それにしてもこの友人の教養の深さには感心する。
宗教学や天文学に異常なほどの知識を持ってる。そして中世ヨーロッパの文化的な知識も豊富。
賢者の石がどうしたとか、ホムンクルスだとか錬金術だとか。このあたりはちょっとついていけない。
歴史学の知識も豊富で神話にもめっぽう強い。以前、「大学院で考古学をやってる奴と話したんだけど、神話のこととか全然知らないんだね」と口にしていたことが強く印象に残ってる。
専門的な言葉を使ったりはしないけれど、哲学や思想にも強く、言語学的なことも口にする。”愛と恋の違い”についての考察が面白かった。
認知科学でもやっていそうな知識の広さだけど、グラフィック系の専門学校を出てゴミまみれになる肉体労働をやってるお人。
空いている時間でする読書によって得た知識なんだろうな。
こういう人こそ秀才と呼ぶのかもしれぬ。
などとやはり感心。