natsukawa2006-04-26

誕生日です。
思いのほかメールをもらったりしてとても嬉しかったりする。なかには日付が変わってすぐ電話をくれた友達も。感謝。
ただ、そのときは相変わらずコタツで寝てたけどね……


とうとうサザエさんに出てくるアナゴさんと同い年になってしまいました。
まさかアナゴさんが27歳だなんて……
というのはいいとして……


4月26日と言えば――
極楽とんぼ加藤浩次、ココリコの田中直樹品川庄司品川祐安田大サーカスの安田団長、の誕生日。
他に同じ誕生日で気になる人と言えば、氣志團の誇り高き團長・綾小路翔とか、エリザベス朝時代の大劇作家・シェイクスピアとか、ロマン主義の代表的画家・ドラクロワとか……
なんか毎回そんなこと書いているけれど……


そして毎回のことだけど、
誕生日になるといつも諸葛亮孔明をふと意識する。
それは僕が最も敬愛する歴史上の人物だからなのかもしれない。
彼は歴史に名を残した人物なのだけど、27歳までは歴史の舞台に出てきていない。荊州の都・襄陽の西の郊外で、隠遁生活とも言える晴耕雨読の生活をおくっていた。晴れの日は畑を耕し作物を作り、雨の日は家で読書をする生活。そして学友と世の状勢について議論していたという。教養をため込んでいた時期だ。一説には病弱であったため27歳まで仕官ができなかったという話もあるが……。
孔明は27歳のときに劉備玄徳の三顧の礼にこたえて劉備に仕えた。以後、劉備を補佐して大活躍した。
自分を諸葛孔明に比することは怖れ多くてとてもできないが、この歳まで勉強を続けてきて、貪欲に知識を得ようとしてきたことに対して、孔明にならって27歳を1つの区切りとして見ても良いかなと以前から思っていた。
孔明が27歳で晴耕雨読の生活を離れ世に出たなら、27歳になった僕ももっと世に関わる方向に移行しようかと。よりアクティブに。
ジッドの言葉のように「書を捨てよ、町に出よう」


ただ、書にあたり知識を欲することは止まらないと思う。
その理由の1つとして、自分に自信を持つため。自分で自分を肯定するための材料を集めたいのだと思う。
そして自分に余裕を持つために。不安とは未知であるために生じることが多い。未知であり無知であることを極力無くすようにすれば、不安に陥ることは減り、余裕が持てるんじゃないかと思うことがある。広く浅くでいいから、とりあえず様々なことを知っていたい。世の中は有限であるので、万能になることは不可能なのだが、可能な限りの知識を得たい。
また、知識を集めることで世の中のあらゆることを肯定したいのだと思う。様々な人々の様々な考えに対して、それもアリだねって言っていたいのだと思う。否定することは世の中の可能性を否定することで、面白くない。
日本人だけでも1億人をこす人が居る。そんなにも多くの人を1つの主義主張で束ねられるはずがない。守るべき社会的なルールはあるけれど、それ以外ではもっと自由になって良いはずの部分が多い気がする。こうするべきだとかとりあえず考えず、もっと多様的である方がいい。
世の中のあらゆることは受け手により意味づけがなされる。物事に対して自分がどのように受け取るか次第だ。だから自分の視野が大きくなれば、世の中が広がる。自分が変われば、世の中の見え方は変わってくる。今が不満なら、自分が努力して変わるしかないということ。それを他人のせい、他のことのせいにするのは、怠慢でしかない。
いかなることにも対応できるように、もっともっと多様的になれるようこれからも頑張っていきたいところ。
そんなことをあらためて思った27歳の誕生日。


誕生日プレゼントというほどでもないが、久々に古本屋ではなく書店で本を買おうかなと思った。しかし特に欲しい本が思いつかなかった。
ただ一つ、須藤元気の本『幸福論』が気になっていたので書店に行ってみた。
格闘技には興味がないので、格闘家としての須藤元気はよく知らないのだけど、前々から、TVや雑誌等で彼の言葉を見て、同年代にはなかなか居ないすぐれた教養を持ってる人だなと思っていた。志が高いというか精神性が高いというか。より高いところを望んでいる姿勢が気持ちいい。そして少なからず、思想の面で僕の考えと似ているところが多かった。
須藤元気は読書が趣味というだけあって、かなりの本を読んでいるみたい。そしてそれがちゃんと身に付いている。年齢が近い人のなかで久々に尊敬の眼差しで見られる人かも。そんな人物は他にBUMP OF CHICKEN藤原基央くらいか。
で、彼の唯一の著書、『幸福論』だが、買おうかどうしようか迷いながら珍しく立ち読みをした。『幸福論』というタイトルだが、その中身は、四国お遍路を巡った旅エッセイのようなもの。ただ、一般の旅エッセイと違って、その行程の途中で須藤元気が思ったこと感じたことなど様々なことが色濃く盛り込まれている。それらを見ていくと、もともと思想が似ているなと思っていたことが再確認された感じ。
文章でもすぐれた教養が小ネタなどで発揮されているのだけど、その出し方がちょっとチープで損している感じ。でも紀行文としては興味深い本だった。
結局のところ、30分くらい立ち読みしてしまい、パラパラと見ているうちに、ざっとではあるが1冊読み終えてしまった。だからとりあえず買うのはやめておいた(笑)古本で出回ったら買おうかなと思ってしまった……


去年は寝込んで、病院で点滴を打ってもらったりとバタバタした誕生日だったけど、今年はとても静かな1日だった。