読了

時間の切り方が巧いというか、場面の展開が巧いというか。スパッと切る感じが気持ちいいかな。
文章の書き方もなかなか興味深い。淡々とすすむ文章。喜怒哀楽おかまいなく同じ調子の文章。
そして、いくつかの登場人物の視点で描く多視点が用いられているのだけど、これが見事に深みを与えている。346pのページ数以上に深いものがある。大河小説とでも言えそう。
最後は強引にもっていったなぁ、っていう感じがあるにはあるけど、かなり良い小説だと思う。ゆっくり読むには良いかも。
デビュー作である『停電の夜に』が気になってきた。